9月に入り、朝晩の気温も幾分落ち着いてきた今日この頃。今回は<Perfetto>でフェリーを利用したお手軽な1泊2日の四国へのライドに行ってきたので、皆さんの今後のツーリングの参考になればと。
ー Go West・神戸へ ー
金曜日の仕事終わりに「最近は以前よりも日が暮れるのが早くなったな」なんて思いながら前後のライトを点灯して、一路西へと漕ぎ出す。季節は確実に変わりつつある。日中に比べると走りやすい気温。しかし止まるたびに噴き出す汗。おかしいな、「暦の上では既に秋だよね?」信号が青になり再び漕ぎ出すと、吹き抜ける風が多少は心地良い。目指すは神戸三宮フェリーターミナル。職場からの距離は大体40キロ。のんびり走っても大体3時間もあれば到着する距離。金曜日の大阪の夜は人も車も多いので気をつけて走る必要がある。
観光客にも人気の大阪ミナミからキタへの繁華街を抜けて、道路は国道2号線へと合流する。交通量が非常に多い道路だが、<Perfetto>は水を得た魚の如くスイスイと夜の街並みを駆け抜ける。仕事帰り?の通勤自転車と思しきライダーとしばしランデブー。しばらく走ってると神戸の街並みが遠くに見えてくる。目的地はまだまだ遠い。尼崎までは何度か自転車で走ったことがある。西宮を過ぎると極端に車の交通量が減り、非常に走りやすい。暫くすると高級住宅地で有名な芦屋。そして、看板には三宮の文字が。「ようやくここまで来たか」と呟いてると腹の虫が抗議してくる。流石に2時間も走ってるとお腹が空いてきた。乗船する前にとりあえずどこかで夕食を・・・と探してると「レッドロック三宮東店」を発見。待つことなく店内へと入ることが出来た。早速メニューを開くと、ステーキ丼とローストビーフ丼の文字が。非常に迷うところだが、ここはステーキ丼にしよう!なんと、どうやら炊きあがってるご飯の量が足りないのでその分肉を増量してくれるという!こちらとしてはその方がありがたい!運ばれてきたステーキ丼は見るからに美味しそう!いや〜空きっ腹に最高のステーキ丼はあっという間に胃袋の中に消えていく。
次に目指すは先ほどの「レッドロック三宮東店」から歩いて数分の場所にある、「明石焼き 司」。三宮の飲み屋街の中にあるので、自転車を押して店まで行く。すると「休業中」の看板が…表に居た店主に話を聞くと「鉄板が熱なり過ぎてん。冷えるのに30〜40分掛かるで」と。金曜の人がごった返してるこの場所で40分待つのは正直勘弁したい。それにしてもまさかのこのタイミングでそんな事あるか?まあ、今回は縁がなかったと思い、仕方なく人混みをかけ分けながら通りを抜け、フェリーターミナルを目指す。
ー Now boarding・いざ乗船 ー
実は神戸港から高松港行きのフェリーの出航時間は日付が変わった午前1時。乗船時間までは十分に余裕がある。「備えあれば憂いなし」が信条の自分としては、早めにフェリー乗り場へ行き、自転車を輪行袋に入れて出航の時間を待つ。乗船受付までまだ時間があるので、シートで1時間ほど仮眠する。その後受付が開いたので係の人に聞くと「Webでチケット購入してQRコードある場合は何もしなくて大丈夫です」。乗船時間までまだ2時間弱あるので、更に1時間ほど仮眠できた。起きたら周りは乗客で一杯!!高松行きがこんなに人気あったとは!それにしても、皆さんえらい早くから並んでるのねって思っていたよ、この時は。
乗船したら先ずは予約してる個室を探してウロウロ。すると、上ののびのびフロアの場所取りで皆さん、大忙し。「なるほど、だから皆んなあんな早く乗船するために並んでたのね」なんて、思ってたら個室は乗船して直ぐの1階でした。とりあえず、荷物を置いて一息つく。本来であればフェリーをくまなく散策したいところだけど、実は乗船時間が僅か4時間しかない。そしてそれがそのまま睡眠時間になるので、とりあえず風呂に向かう。なんと、このフェリー男性のみ大浴場がある。なんて素晴らしいサービス!自転車乗ってきて汗をたっぷりかいていたのでお風呂でサッパリしたかった。そして、これでスヤスヤ寝れるはず。
風呂に入って副交感神経が刺激されたせいか、どうも寝付きが悪い。しかし疲れからか知らない間に寝てたようだ。流石、自分の特技の「どこでも寝れる」がここでも有効に働いたみたいだ。夜中にトイレに行く時に別のフロアを見に行くと、雑魚寝というか通路に寝てる人、椅子で苦しそうに寝てる人で溢れてる。良かった、個室を予約しておいて!!
ー Arrived to Kagawa・うどん県に到着 ー
定刻の午前1時から20分遅れて出航したので、到着も必然的に遅くなる。しかしやはり朝の5時になると船内放送で叩き起こされる。結果的に3時間程度は寝れたのかな?
さっさと身支度を済ませて、下船の準備。四国に来るのは2022に「Roots of Kuwahara」(時間があればこちらも、どうぞ)で来て以来。そして、今回の最大の目標は「UDON」。そう、うどん県の香川県でうどんを食べまくるのだ〜!!とこの時は思っていた。
実は香川県は47都道府県の中で最も面積が小さく、平野が県土の半分を占めてるらしい。山に囲まれてる奈良県とはえらい違いだ。そういえば、前回は半田素麺を徳島で食べた訳だが、「うどん」と「ひやむぎ」と「そうめん」の違いは「太さ」らしい。直径1.3mm未満を「そうめん」、1.7mm以上は「うどん」。その間が「ひやむぎ」と定められてる。う〜ん、1.6mmのひやむぎと1.7mmのうどんの違いに気付ける気がしない。
ー This is the real thing・これが本場の味か! ー
話が逸れたが、うどん県で一発目に行くお店は香川の中でもナンバーワンとも言われる「手打ちうどんバカ一代」。ナンバーワンと言われてるのもあるけど、開店が朝の6時からなので、一発目として最適なのだ。<Perfetto>を組み立て、早速お店に向かうと・・・。
マジっすか??!!朝の6時過ぎで、既に50人以上並んでる!しかしながら他の店に行ってもまだどこも開店していない。諦めて駐輪して列に並ぶことにする。45分ほど待ってる時間があったので注文は既に心に決めていた。店でも一番人気の「釜バターうどん」。カウンターで注文して、お会計をしていざ実食。「釜揚げの麺に絡みつく玉子とバター。そして味の決め手はやはり胡椒。確かにカルボナーラの様だ。う〜ん、美味しい!!これは今度家でも作ってみようかな〜。」なんて考えながら食べてたら、速攻で食べ終わってしまった。そして、店を出るとやっぱり並んでる。皆さん、朝からうどん好きですね〜(人のこと言えない)。「釜バターうどん」の興奮冷めやらぬ状態で次に行くのは2軒目の「さか枝うどん」。こちらも早朝の7時から開店なので、2杯目には最適。自転車での移動だとあっという間に到着。丁度開店5分前に到着することが出来た。数人待ってるがこの程度なら問題ないだろう。そして、こちらでいただくのは「かけうどん」。ズバリ "Simple is best!" 。先ほどとは違い凄いコシがある麺だ。そしていりこ出汁の汁が凄く美味しい。
さてさて、うどんを2杯食べてお腹も膨れたので少し観光を。港から見えていた、「高松城天守台跡」が実は気になっていた。こちら数分で到着。するとちょうど開場となってたので、早速お邪魔する。本丸は残念ながら残ってないけど、見事な庭園やお堀なんかも見てると楽しい。いかん、いかん。思わず時間を使い過ぎてしまった。
「高松城天守台跡」から東へ行くと、「屋島」がある。水平な硬岩層におおわれ、周囲の一部を急崖で囲まれたテーブル状の高地で、大きな屋根のように見えるので屋島と呼ばれているらしい。なんでも一番高いところは、標高300mくらいあるとか・・・。え、行きませんよ、山頂なんて!!お腹一杯で苦しいんだから!!そういえば、映画「世界の中心で愛をさけぶ」のロケ地も屋島の中の「庵治」という場所にあり、純愛の聖地だそうで。純愛に飢えてる皆さん、一度来訪してみては如何でしょうか?
屋島周辺をウロウロしたので、多少カロリーも消費出来た筈。ここで本日3軒目のうどん屋さん、「十河製麺」さんへ行こうと思ってたけど、何ですか、今日の気温??!!最高気温35度っておかしいでしょう?これは流石に「うどん」というより、何か身体を冷やしてくれる食べ物か飲み物が欲しい。なんとその先にたまたま「たまご専門店danran 」さんというカフェがある!!暑さでフラフラになり、まるで吸い込まる様に店内へと。空調が効いた部屋で冷たいお水を頂きながらメニューを眺め注文したのは「いちごフロート」。これがまた超美味い!!熱を帯びた身体を一気に冷やしてくれたので、本気で生き返った!
ー to Tokushima Pref ・そして徳島へー
「たまご専門店danran 」の近くには、先日大島のライドでも大変お世話になったTyrell本社があるので覗いてみる。そういえばあの時、「将来的には全てのモデルを地元の香川で生産をしたい」と熱く語って言ましたね。そんな本社工場を見学できないかな〜と思ったけど、やはり週末はお休み。また次回は平日に伺いま〜す。
再度進路を東へと取り、国道11号線をひた走る。海沿いの気持ち良い道路で、ついつい鼻歌も出ちゃう。いくつかトンネルがあるが、前後のライトで安全確保。
途中の道路の広告にもあった「三谷製糖 羽根さぬき本舗」さん。実はここの「茶鞠」ってのがとても美味しいと教えてもらったので、是非寄りたかった。これまた、凄い趣のある建物でお茶と和菓子を出してもらう。和三盆の優しい甘さとお茶が本当最高!疲れも一気に吹っ飛ぶ。とりあえずこれで、香川県でのミッションは全て完了。次回はもうちょっと色々うどんを食べ回りたいかな。(今回ちょっと暑過ぎた・・・)
そこから走り出すと直ぐに徳島県に突入。本来だと、このまま山越えで徳島港を目指す方が早いんだけど、そこは地元料理を堪能したい!ってことで、そのまま海岸線を東へ。実はこの11号線がかなり辛かった・・・。何故なら休憩場所が全く無い。そしてずっと向かい風で日陰もない。仕方なく灼熱の中30分ほど走って何とか目的地に到着。
「活魚料理 びんび家」さん。こちらも知り合いに教えて貰ったお店なので、是非来たかった。到着する前から見えてたけど、「いやいやいや・・・」。駐車場待ちで車は渋滞してるし、店の前も待ってる人で一杯。「これはかなり待たないといけないな。どうしよう、もうこのまま他のところに行くか?!」なんて考えも頭をよぎるが、前回来れなかったし、今回は「是非とも行かなねばなるまい!」と決めて表で待っている。すると横で店員さんが生け簀から取り出した大きなハマチを棍棒で殴って、頭を落とすように包丁を入れてる。「スゲー」っと思いながら見てると呼ばれて席へ。注文は刺盛定食。もうね、優勝です!待ってた甲斐があるってもんです!お刺身は超絶新鮮だし、超美味い!!そして全ての刺身が一切れなんだけど、全てが分厚い。なんじゃあ、こりゃ〜状態。最高です。地元の美味しい料理を頂くために頑張って自転車で走る。これぞ自転車旅行の醍醐味!!はい、ご馳走様でした〜。
後は、徳島港へ目指してひたすらペダルを漕ぐ。本当は鳴門の大渦も見たかったし、徳島の美味しいラーメンや、居酒屋、神社にも行きたかった。しかしながら、びんびで待った1時間がボディブローのように効いており、そしてフェリーの乗船時間は待ってくれない。向かい風の中なんとか、乗船時間前にフェリー乗り場に到着した。やり切ったぞ、自分。そしてご褒美のガリガリ君をコンビニで買って食べる。「あ〜〜〜〜うめ〜〜〜〜!!」って心の叫び。余り時間がないのでさっさと輪行準備。南海フェリーに乗船さえしてしまえば、到着した和歌山港からそのまま南海電車に乗れるので、非常に便利。そして、途中でJRに乗り換え最寄り駅までずっと電車なので超楽ちん。頑張って漕いだ脚も暫しの休息。そして、出航するフェリーから外を見てると、知らない間に自分の得意技が発揮されて、いつの間にかまた夢の中へ・・・。
ー Back to Kansai ・家に無事に帰るまでが旅ー
乗ったと思ったら、もう到着するとはこれがワープってやつか!!(笑) フェリーでグッスリ寝たので、電車は眠くならずに済んだ。2時間の睡眠で完全に疲れが取れたわけではないので外をぼんやり眺めてたら、乗り換えの新今宮駅に到着。大阪のシンボル「通天閣」があり、昔と違って、有名な観光地。今だと海外の観光客にも大人気の場所。昔を知ってる自分からすれば想像も出来ない光景が広がってる。更に新今宮駅から揺られること1時間で最寄駅に到着。今回の高松港から徳島港までの総走行距離は約100km。車やバイクだとあっという間の距離だけど、自転車だと色々な場所に行って美味しい地元の料理を堪能して、更にはなんとカロリーも消費出来ちゃうので罪悪感も薄いでしょ? これにて今回の香川県と徳島県を跨ぐ<Perfetto>でのツーリングは終了。
今回のようにフェリーで1泊(ホテルで1泊もおすすめ)すれば荷物が格段に少なく、身体への負担も少なくなる。荷物が満載になるバイクパッキングスタイルの自転車キャンプよりは初心者には始めやすいと思う。特に<Perfetto>の場合は前輪を外すだけで輪行出来るし。
分かっているとは思うけど、実は世界ってとてつもなく広いし、自分が知らないことばかり。もちろん、海外へ行けばその大きさを思い知らされるけど、日本ほど安全で安心な国は自分は知らない。今だとインターネットで調べると大抵のことは分かる。しかし、昔から言われてる「百聞は一見にしかず」てことの本当の意味は、実際に自分で体験しないと分からないよ」って意味なんじゃないかと思う。だって、ネットで見たって結局は、その場の雰囲気、味、匂い、辛さ、そして楽しさが全く分からないんだから。だから、それを知るためにまた自転車で旅に出てしまう。
次回は何処に行ってどんなルートで走り、そしてどんな美味しい料理を食べようか?そんなことを考えだした時から、次の旅は始まってる。旅には相棒は必要でしょう?そんな相棒として<Perfetto>は如何でしょうか?あなたのまだ見ぬ世界を広げてくれるはず!
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