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Perfetto SSスタイルで自転車キャンプ(後編)


ー日本一短かった単線鉄道と醤油とー


無事にブランチを食べることが出来て、お腹にも心にも余裕が出来た。そうなると今度は観光でもしようかなと思い、すぐ近くにあるカナダミュージアムへ行ってみる。しかし、開いてるのか閉まってるのかよく分からない。かと言って更に西にある「日の岬」へ行くと上りがありそうなので、今度は東へと向かってみる。


ネットで調べた情報によると御坊市役所の辺りに、最近まで日本一短かった紀州鉄道があるらしい。その距離はたったの2.7キロ。千葉県に新しく開業した2.2キロが今では日本で一番短い路線らしい。ぶっちゃけ徒歩でも行ける距離だし、更に自転車だと短すぎる距離なんだけどそれを言ったら野暮ってもんですよ、奥さん(笑)。


自分は電車には全然詳しくないんで、感動も何もないんだけど1両編成(1両なのに編成というのかどうか)の車両はなんだか可愛らしい。多分、ICじゃなくて切符買うんだろう。券売機はあるかな?(徳島で汽車に乗った時は駅員さんから直接買ったのを思い出した)


どうやら自分が言った場所は西御坊駅で一応終点の駅らしい。まあ、駅というのかどうか分からない。なんせ商店街の片隅に車両が止まってるので。(てっきり展示してるのかと思ったくらい)


その後は近くの商店街をぶらぶら走ってると、何やら大きな建物があり、その下にはこの街の地図がある。何の建物かと思ったら津波の時の避難タワーらしい。海辺の街だとこういうのが普通にあるのかもしれない。地図をよく見るとすぐ後ろに醤油の醸造所が。何でも創業三百年を超えるお醤油さんだそうで。しかし、自転車だとこういう時に困るんだな〜。醤油とかお味噌をお土産にしたいけど、嵩張るし、何よりも重たい。帰りに駅の土産物屋であったら買おうと写真だけ撮らせてもらう。そして、近くにもう一軒あるらしい。流石、醤油発祥の地「湯浅」と近いだけはある。


ーベーステントは良いかもしれないー


とりあえず、お腹が膨れたせいなのか、朝の5時から起きてるせいなのか、ここにきて睡魔に襲われる。いつもなら頑張って強行軍するのだが、今回は既にキャンプ場にテントを立ててるので、いつでも休憩が出来る状態なのである。そうなると、一度ベースキャンプに戻ってみようかなという気分になる。


10分ほどでキャンプ場に戻り、ハンモックを出して少し横になってみる。


「ハァ〜、この揺られてる感覚は寝ちゃうかなも〜」


って気がついたら1時間以上寝てました(笑)


その後は、どこでどんな夕食を食べるのかネットを見ながら考える。考える。あかん、美味しそうな店が多すぎる!よし、ここは冷静になってみよう。


先ず、美味しい魚介のお店はお昼に行った。そうなると肉系?しかし、そうなるとお酒も一緒に欲しくなる。では、朝行かなかったハンバーガーはどうだ?う〜ん、夜にハンバーガーって感じじゃない。先ほど通った42号線には全国展開してるチェーン店が沢山あるが、そうじゃないだろう?そして、その時思い出した。


「和歌山ラーメンがあるやん!そうだ、ラーメンにしよう。炒飯まで食べたら夜苦しいかもしれないから、そうなるとここはやはり餃子だな。」


そしてネットで見つけたのが「らーめん たんぼ」さん。どうやら店の目の前は田んぼらしい。そこから店の名前が来てるのかどうかは知らないけど。しかし、どうやら開店時間は18時からなので、少し遠回りをして向かってみる。


道中で見つけた「キハ600形」の車両。説明によると、どうやら君は新潟から来たのね。そして34年間頑張って御坊住民の足になってたのね、お疲れ様でした。


少し走ると無事17時45分に「らーめん たんぼ」さんに到着して開店を待つ。余りにも店内から音がしないので、


「もしかして臨時休業とかしないよな?」


と不吉な考えが頭をよぎる。しかし、ここまで来たらとりあえず18時まで待ってみようと思ったら、無事に開店しました。あ〜良かった。


和歌山ラーメンであれば当然醤油ラーメンなんだけど、塩ラーメン好きな自分は迷わず


「特製しおらぁめんと餃子を1つください」


牡蠣の佃煮ごはんに心が揺さぶられたけど、ここでも


「迷ったときは初心に帰るべし」


そして、自分のその直感(?)は正しかった!どうやらミシュランガイドにも載ったお店らしく、お店の推しは塩ラーメンらしい。道理でメチャクチャ美味しかった筈だ!


ー夕陽も満点の星空もー


お腹も膨れて、後はキャンプ場で酒でも飲みながらまったりするだけ。何もしないとう贅沢な時間。近所のスーパーでアルコールとつまみを仕入れて、キャンプ場に戻ってみると周りは楽しそうに焚き火をしながらBBQタイム。残念ながら夕陽は拝めそうにない。しかもこの厚い雲だと星空も難しそうだなんて思いながら、


周りの皆さんに負けじとこちらもビールを掲げながら


「過去一番走行距離が短いけど、今日もお疲れ〜自分!!」


ビールの蓋をプシッっと開ける。


今回も椅子がわりにハンモックを使ってるが、これが最高に気持ち良い。使える場所は限られるので万能ではないが、軽量でコンパクトだから自転車キャンプとの相性は良いと思う。そして、夜は更けていき日本酒も半分くらい飲んだところで、流石に眠くなってきた。夜露で濡れるのが嫌なのでハンモックも片付けてから、ご就寝。


ー電車に3時間も座れば、お尻も痛いー


キャンプあるあるだけど、翌朝起きるのは大体早い。まあ、そうじゃなくても朝の4時前に雨音が聞こえた時は


「天気予報では雨降らないって言ってたや〜ん。雨の撤収どうしよう?」


なんて思っていたら、ものの10分くらいで止んだので助かった。


今回の寝床である、<UPON Bivy Tent>はエアピラーという空気で膨らませた支柱で支えるシングルウォールのテントである。自分はエアマットとウレタンマットのダブルマット仕様で快適に過ごせた。ウレタンマットは設営時はグランドシート代わりにテントの下に敷き、撤収時にはパッキングする荷物を一時置き場として使えるのでオススメ。

ぼちぼち片付けていたら午前6時半ごろに完全撤収。自分は毎回、


「立つ鳥跡を濁さず」


の精神で来た時よりも綺麗にを心がけている。キャンプ場はあくまでも利用させてもらってるので。お互い気持ちよく使える方が良いでしょ?


駅までのどこかのカフェで朝食でもと思っていたが、残念ながら開いてるお店は見つけられず。仕方ないので、今回はコンビニでお弁当を買って駅で電車が来るまでのんびりいただく。サイクルトレイン初挑戦と思って駅員さんに聞いたら、どうやら事前予約が必要だと言われたので、潔く諦める。そもそも和歌山より先はどうしても輪行しないといけないので。



ようやく電車が来て、輪行の大荷物を抱えて一番先頭車両へ。今回の電車は天王寺まで乗り換えなしなので、超楽ちん!しかも、乗客がほとんど居らず、気兼ねなく風景を楽しんでる。ところが、電車が大阪に近づくにつれて乗客がどんどん増えてきて、気付けば朝の満員電車状態なので、大きな荷物を持ち込んでる自分は非常に気まずい。更には雲行きまでもが怪しくなり、とうとう和歌山駅では土砂降り。



なんとか無事に天王寺駅で降車して、大和路線に乗り換えると今度はインバウンドの海外からの旅行客で結構混雑。座ることは出来ずとも、荷物を置くのは出来たので一安心。そして奈良の最寄駅に着く頃には雨も止み、終始濡れることもなく今回の旅は無事に終了。


今回のベースキャンプスタイルは、自転車でのキャンプとしては最適なのかもしれないと感じた。そして、<Perfetto>の様な小径車は輪行時間も短く、距離を走らない輪行キャンプツーリングには最適なのだと実感した。

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