第5回徳島ミニベロアドベンチャーツーリズムサミットに参加してきました(初日編)
- Takashi Kuwahara
- 2 日前
- 読了時間: 7分

ー経緯ー
以前のブログをお読みいただいた方はご存じかと思いますが、我が桑原家のルーツは徳島県にあります。徳島出身の友人とともに訪れたその地は、人の温かさにあふれ、豊かな自然が色濃く残されており、日本の原風景を感じられる素晴らしい場所でした。そのため、私自身にとって徳島県は特別な愛着を抱く土地となっておりました。
また、日頃からさまざまなイベントでご一緒させていただいております <Pacific Cycle Japan> の大川社長より、「現在、徳島の販売店の皆さまと共に、自転車を通じて地域活性化に取り組んでおり、このようなイベントを開催しているのです」と映像をご紹介いただきました。そこに映し出されていたのは、徳島の美しい自然と、その中を楽しそうに走る自転車の姿であり、大変感銘を受けました。思わず「次回はぜひ参加させてください」と申し上げたことが、今回のサミットへの参加につながったのです。
まずは、この度大変お世話になりました、徳島市内のみならず香川県高松にも店舗を構えられる <Blue Cycle Labo> の眞部さん並びに従業員の皆さま、徳島大学の矢部教授、住職には心より御礼を申し上げます。皆さまのご支援がなければ、今回の取り組みを無事に完遂することは難しかったと存じます。
少々前置きが長くなりましたが、ここからは今回の旅についてご紹介してまいりたいと思います。
ーいざ、徳島へー
<Blue Cycle Labo>の眞鍋さんからお電話をいただき、「サミットは8月14日から16日、そして17日に現地解散です」とのご案内。そこでまず頭をよぎったのが…「お盆に徳島へ行くの!?」ということ。
ご存じの方も多いと思いますが、徳島といえばやっぱり「阿波踊り」。お盆の数日間だけで毎年100万人以上が参加するという、日本でも屈指のビッグイベントなんです。当然ホテルはもちろん、近くの飲食店でさえ予約困難になる時期。でも今回その期間を選んだのは、「サミットに参加するみんなにも本場の阿波踊りを体験してもらいたい」という思いからだそうで、そう聞くと一気にワクワクが高まってきました。
さて、四国に自転車で渡るルートといえば、今のところ「しまなみ街道」くらいしかありません。ほかには空路の「飛行機」や「電車・バス」といった陸路、そして「フェリー」の海路。ただ、関西からだと距離が近すぎて飛行機は現実的じゃないので、残るは陸路か海路という選択になります。ここ最近の自分の旅は「海路」を使うことが多く、船に揺られて過ごす時間に旅情を感じるのが好きなので、必然的に今回もフェリーで徳島入りすることにしました。

お盆真っ最中の8月14日。早朝5時に起床して、いよいよ出発の準備開始です。着替えや装備は前日までにほとんど揃えてあったので、この朝は最終チェックのみ。軽く朝食を済ませて、まだ涼しさが残るうちに最寄駅へ向かいます。
ありがたいことに予定通り6時前の電車に乗り込むことができました。相棒の<Perfetto>は輪行袋に収め、先頭車両の邪魔にならないようにしっかりと固定。いよいよ和歌山港駅を目指します。

和歌山市駅から連絡している和歌山港行きの電車は「加太さかな線観光列車 めでたいでんしゃ」というそうで、以前乗った時と比べて内装がガラッと変わっていました。どうやら定期的にリニューアルされているようで、こういうちょっとしたサプライズも旅の楽しみのひとつですね。
程なくして和歌山港駅に到着。やはりお盆の真っ最中ということもあって、前回に比べると乗客が多く、ちょっと不安な気持ちになります。さらに、駅から港までの連絡通路が意外と長いので、輪行中の<Perfetto>を抱えながらも早足で進み、乗船口を目指します。
無事に徒歩で乗船を済ませ、荷物を席に置いた後は、さっそく船内をぶらりと散策。旅の始まりを感じさせるこの時間が、なんともワクワクして好きなんですよね。しかしながら、車や二輪車の乗船組が次々と上がってくると、船内はあっという間に満席状態に。そんな中、自分の場所に腰を落ち着けた途端に睡魔が襲ってきて、抵抗する間もなく夢の中へ。次回からフェリーに乗るときは、枕を持参するのが正解かもしれませんね。
気づけばぐっすり2時間近く眠っていたようで、下船のアナウンスが流れる頃には「えっ、もう着いたの?」という感覚。まるでワープでもしたかのようです。とりあえず到着してしまえば時間には余裕があるので、輪行袋を解いて徳島市内へ向けてペダルを踏み出します。
ちなみに今回の<Perfetto>はシングルスピード仕様。急ぐこともなく、街中をのんびりクルージングです。とはいえ・・・徳島もやっぱり暑い!
ー渡船輪行ー
徳島港から<Blue Cycle Labo>さんまではわずか4kmほど。ペダルを回しているうちに、あっという間に到着してしまいました。初めて訪れましたが、お店の規模の大きさには本当に驚かされました。

小腹が空いてたので美味しいしらす丼をいただきまして、お店でひと休み。そのあと、東京の販売店<サイクルハウス しぶや>の池添さんを迎えに徳島駅へ。その後は一緒に阿波踊りの会場や徳島市内を少し散策しました。画力が無い自分が言うのもアレですが、スケートボードやインラインに比べて、BMXだけあまりにも形が違いすぎませんか?(笑)
その後は、眞鍋さんおすすめの純喫茶へ。そこでいただいたのは、コーヒーゼリーとホットコーヒー。このコーヒーゼリーがまた絶品で、程よい苦味と、濃厚で甘いアイスの組み合わせが絶妙。思わず「これは美味しい!」と声が出てしまうほどでした。さらに、創業者のお名前がついた「よしこの珈琲」も香り高く、とても美味しかったです。ごちそうさまでした。
眞鍋さんが「阿波踊りの会場近くの船着場から渡船に乗って店に戻りましょう」と言うのですが、正直その時は「え、一体何を言ってるのだろう?」と思っていました。ところが実際には『ひょうたん島クルーズ』という船があり、しかも自転車ごと乗せられるとのこと!
「徳島の方々の生活には船が根付いているんだなぁ」と感心しながら、人生初の“渡船輪行”に挑戦。しかも自転車をそのまま乗せられるので本当に楽チン!船は想像以上にスピードがあり、つい先ほどまでの灼熱が嘘のように、吹き抜ける風が心地よく感じられました。
さらに今回は徳島大学の教授にもご参加いただいており、道中では歴史や人物のエピソード、地名の由来など、とても貴重なお話を伺うことができました。教授でありながら、まるで観光ガイドさんのようで、学びと楽しさが同時に味わえる贅沢な時間でした。
ーサミットと地元料理で舌鼓ー
お店に戻ると車が用意されており、そこから今回のお宿がある街『鴨島』へと向かいます。車に揺られることおよそ1時間。到着した街並みは、どこか以前訪れた彦根の商店街のようで、程よく昭和感が残っていて、なんだか懐かしい雰囲気です。ここで、カドワキコーティングの吉岡さんが登場するのですが、まさかの川崎から自走です。自分はあまり運転したくないですね、この距離(笑)。
宿のロビーには、今回の阿波踊りのために作られた大きな提灯がドーンと鎮座。いや〜これがまた格好いい!思わず「来年はうちの社名入りで作りたいなぁ」なんて思ってしまいました。
そして夜は、サミットではもうお馴染みらしい<Togo Deli Kitchen>さんが出張シェフとして登場。地元の食材をふんだんに使った絶品料理を次々と振る舞ってくれました。そこへなんと、吉野川市長まで参加!
眞鍋さんから市長やサミットに参加してる出席者に対して「自転車を使った地域振興は、道路整備やサイクルルートづくりなどハード面ばかりが先行している。これからは、実際にその土地に住む人々やサイクリストがどう楽しめるか、どうお金を使ってもらえるかといった“ソフト面”も大切」というお話が。
飲食店や宿泊施設の充実、キャッシュレス導入など、まさにこれからの日本全体が抱える課題に直結するディスカッションとなりました。
市長はご多忙のため途中で退席されましたが、その後もサミット参加メンバー同士で、夜遅くまでアツい議論が続いたのでした・・・いや、嘘です。翌日が早いのでそこそこだった筈(汗)
2日目へつづく